2020 The New Earth A travel report【20】Synergetic Energy Xchange

2016/01/19


「2020 The New Earth A travel report-19」の続き…

Synergetic Energy Xchange

「SEX とはね、」モジョーが話し始める。「Synergetic Energy Xchange(相乗作用的なエネルギーの交換)だよ。それは、双方向に完全に開かれている結びつきに基づいている。互いに相手から何かを得ようとしたり、必要としたりせず、タマラや僕みたいに与えて分かち合いたいとき、両者のエネルギーは交換を通して相乗作用が働き、どんどん強くなって広がっていくんだ。

このエネルギーの中では、SEX はずっとはるかに豊かなものだし、バランスも取れていて心地いい。それが今日の地球の基本エネルギーなんだよ。ここで経験できる最高のものだ。それはアナーキーのエネルギー、平等のエネルギーなんだ。君、ついてこられる?」

「大丈夫だと思うよ。それも体験することになる気がする」僕は微笑むと、恥ずかしげに付け加えた。

「やあ、タマラ。僕のことネイサンと呼んで。僕は新参者なので、君が、僕のチューターであるモジョーとデモンストレーションしてくれて有り難く思ってる。僕はヘッドコンソールを使い始めたばかりなので、慣れるように彼が手伝ってくれているんだ。僕は、この5 年間を経験していない。ああ、そうだ。君のキスは喜び一杯だよね。ダンスみたいだった。生き生きとした感じが伝わってきたよ」

「こんにちは、ネイサン。私の知覚の中であなたに挨拶できて嬉しいわ。そしてある意味、あなたの言う通りよ。あれは一種のダンスだったの。私たちはそういうことをしているのよ。私たち両方にとって、エネルギーを上昇させる最高の方法なの」

彼女はこの状況をまったく正常なものとして見ているらしい。何の判断もせず、 彼女は僕の話を受け入れて登録する。彼女は、僕にアップデートが必要だと見てい る。
「つまり、あなたはSEX に興味があり、それに関して5 年分の情報がないわけ ね」彼女が話を締めくくる。 僕はメアリー・キャンプにいるような気分。あの本 を読んでから、僕には自分がメアリー・キャンプにいるという感覚が続いている。
本の物語は終わっているけれど、僕の周りの話は続いている。僕が会った人はみ んな僕へのメッセージを持っているか、僕が彼らのためのメッセージを持ってい るかに思えた。僕は、みんなとの出会いがお互いの約束に基づいていることを理 解できたが、他の人たちは違った。だから僕も徐々にそれを意識しなくなったが、 今、それが完全に戻ってきた
。僕は、自分がメアリー・キャンプにいると見てい る。そして他の人たちも同じように見ている。つまり、僕たちはみんなそのキャ ンプ――他の呼び方でも構わないけど――にいるんだ。
僕たちがここにいたのは、 僕たちがそうしたかったからだ。タマラが今現れたのは、彼女がこの瞬間を経験 したかったから。彼女の役割を演じるために。彼女はそうすることが好きだから、 そうしたいのだ。肉感的なことに関心を持つ人に教えること。それが彼女の役割 だ。彼女の目の中に、存在全体に、彼女の近づき方に、それが見て取れる。彼女 の細胞から弾け飛んでいる。そうだ。この娘はそうしたいんだ。彼女はエクスタ シーの甘い匂いがする。
彼女は優しく僕の首に両腕を回す。目の前に彼女の美し い顔が見える。豊かな赤い唇、輝く白い歯、実にキュートな鼻、瞼は閉じかかって いるが、完全にではない。彼女が口を開くと僕の息が止まった。彼女は瞼を上げ て僕の目を直視する。彼女はそれから自分の腿を僕の股に優しく押しつける。
僕の心臓は停止し、時は止まる。この瞬間、時間がいかに相対的なものかを感じて いる。何もかもが自分のテンポで時を刻んでいる。どのエゴも、どのプレイヤー も、それぞれの時間感覚を持っている。
我に返ると、僕はリラックスした観察者 モードに切り替えた。映画のようにネイサンの物語を見ている知覚者モードに。
時空を越えた「今、ここ」に。時間は静止している。なぜなら、ネイサンの物語 として知られるこの話の中で、僕はエゴとの同一化から離れることができるから だ。そのうち、この物語の読者も含め、もっと多くの人たちが、そういう経験をするようになる。
この変化により、時間は止まるんだ。なぜなら時間は幻想だか ら。時間は経験を時系列に並べ、筋書きや物語を創るための手段なんだ。僕たち はみんな、自分が本当は何者なのか、I AM を思い出しつつある。僕たちはます ますME と同一になり、ME と同じような心境になる。だからこそ、時間という 幻想が崩れるのだ。
それを残念がることこそ残念なことだ。僕は自信を持って、 この新たな時空――マトリックス内の無限の可能性に満ちている場、常にそうだ ったように、経験したいことは何でも経験できるところ――を探検することをお 勧めします。
ここでは何も変わっておらず、もっと意識的に経験するようになっ ただけのこと。少しずつ、一歩ずつ、各自が自分の興味に従っている。あらゆる 興味が追い求められている。他に方法はないのだ。だって、すべてが僕たちを通 じて起きているのだから。 ネイサンとしての経験もそう! ネイサンとI AM は 一つ。そして僕らは共に、愛の波が彼の体を通して流れているのを感じる。
彼女が僕を見つめ、僕も自然に彼女を見つめる。僕はその眼差しのなかで自分 を失ってしまいたい。僕は自分に倒れることを許す。すると上唇の真ん中に彼女 の舌が触れているのを感じた。全身が爆発し、僕は目を閉じる。僕は宇宙のど真 ん中に来た。周りはすべての意識が満ち満ちている。
ネイサンの体は崩れ落ちる ところだが、僕は完全にはっきりしている。僕には、自分の上からも背後からも、 自分がまるで意識を失ったかのように倒れていくのが見える。そしてどれだけ自 分が輝いているかも。すべてが輝いている。すべてが光になっている。タマラの 体も僕の体を支えるのに引きつっているが、それでも優雅に身を低くしながら、 二人の体を地面に横たえた。この女性は、自分がしていることを分かっている。 さっきのモジョーの「ダンス」のとき、足を止めて見ていた人たちが、今度は僕 らに声援を送っている。
「タマラ、君の指導は最高だよ!」「時間を無駄にすることはないさ。質問が出 ないうちに、ただみんなに見せてやればいい! 鮮やかにな!」人々が囃し立て る。
タマラとネイサンが一緒に目を開けて互いに見つめ合う。それから二人は笑い、 体を揺すり、地面を転げ回り、抱き合って休む。最後のため息を数回吐いて上半身を起こす。
僕は彼女から視線を逸らせてあたりを見回した。ぼーっとしているが、人生を 味わい尽くしたい思いに満ちている。僕らの周りにいる人たちが、戦士のいない ゲームのようにハグし合っている。互いに、そして僕らに感謝して、それぞれの 道へ分かれていく。僕がネイサンの視線をモジョーに向けると、彼は僕に笑い かけている。
「僕たちが話していたエネルギーについての質問には、これでいくらか答えられ たと思う。君ならそれをどう説明する?
僕が言った通り、タマラには彼女独自 のメソッドがある。彼女のタイミングと流れは完璧なんだ。彼女は本当に上手だ よ。愛の卓越した芸術家とまではいかないにしてもね。彼女はよく知られていて 尊敬されている。そのための感受性がとても豊かなんだ。
僕は、君たちを残して、 もう行くよ。約束があるのでね。どこかで僕を必要としているらしい。インナー ネットでまた会おう。ただ僕のことを思えば繋がるから。初めのうち君のワイヤ ーはちょっと錆び付いているかもしれないが、再設定されていくうちに良くなる よ。独自に再設定されていくから、君の内側の長椅子で寛ぎながら人生で遊んで いればいいさ、兄弟!」

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