2020 The New Earth A travel report【18】ゲームスタート

2015/12/29


「2020 The New Earth A travel report-17」の続き…

ゲームスタート

「数十億人がオンラインで OKiTALK フェスティバルをフォローした。そしてそ れが最初のオンマインド大会だった。とても多くの人たち――数百万人――がマトリックスの各々の部屋で、オンマインドでコンタクトした。世界中の都市、その他の場所で、大勢の人達が集まり、そのフェスティバルを世界中に広めた。それにはたくさんの名前がついて、おなじみのものになった。今日でもなお僕たちは、集まったり、それぞれの道を歩んだり、自由にしている。僕たちは鳥の群れのように常に繋がっていて、だれも独りぼっちじゃない。今日、君と僕がばったり出会ったように、僕たちはダンスのように誰かと出くわす。

有機体の個々の細 胞が自分の興味に従いながらも、流れるような動きとなって僕たち全員が繋がっ ている。ときには遠く離れ、ときには一緒になり、けれども一切が無常であり、 僕たちはいつでも自由だ。嫉妬心が芽生える理由はない。僕たちはそれぞれ自分 の面倒を見られるからね。誰かを欺したり、インチキをしたりするような人は、 もういない。それは僕たちにとって良くないことであり、それのみが、僕たちの 足を引っ張るということを、みんなが理解しているから。変化は、僕たちみんな が自分の考えや気持ちを言えるようになったことの、論理的帰結だよ。
そして何 も悪いことは起こりえないと分かっているので、コンソール上のゲームのように、 安心して一緒に訓練できた。本当に当時はびっくり仰天するような変化だった よ! 友よ、本当に OKiTALK フェスティバルに行くことを勧めるよ。大勢の人が後 になって後悔したのだから。というのも、そのフェスティバルはもう二度と開催 されなかった。なぜなら、その必要がなかったから。最終日、あれだけ大勢いた にもかかわらず、全員が会場をきれいに片付けてから去った。みんなでそれがで きることを示したんだ。たくさんのマークは残っていたが、一片のゴミもなかっ た。マークは数ヵ月後には消えていた。
人々はただ立ち去っただけじゃない。オ ープンなスピリットで心を満たして戻って行った。それがフェスティバルの意義 だったんだよ。彼らは新たな人脈、インスピレーション、体験をたくさん他の人 たちとシェアした。そして誰も、翌年に再びフェスティバルが開催されるのを待 っていたいと思わなかった。彼らがその後どこへ行ったかは問題じゃないし、多 くの人たちが、もと来たところへは戻らなかった。彼らは友だちを連れて行った。 人生を享受したいという熱望と共に。繋がっているという感情と共に。そして無 条件の愛と共に。彼らは、自分がたどり着いたあらゆる場所でそれを広めた。オ ンマインド・ゲーマーの自由に向けた最後の行軍は、ただ生きることだった。そ れは本当に真価を発揮し、影響を与えた。
「世界平和?」
「うん。そう言えるね」
「オンラインゲームについて初心者向けの助言をしてくれない?」
「もちろんだよ。そのために僕はここにいるのだから。OK。こうやって始める んだ。君の想像力、つまり僕たちのマインドの中のものを見る能力が、君にヘッ ドアップ・ディスプレイ(訳注:ヘッドアップ・ディスプレイの一般的な意味は、 航空機などのフロントガラスへの計器表示。頭を上げたまま、すなわち前方を見 ながら計器を見られる)を使用する機会を与える。君のすべきことは、それをイ メージすることだ。スクリーンをイメージしてみて。左端の領域に上から下にス ロットが並んでいるよ。このスロットの中に、君の知っているやりたいゲームを 挿入できる。
一度に一つのゲームを行う従来のコンソールとは違い、好きな数だ け同時にできる。その場合、すべてのゲームの世界が一つになる。ゲームを好き なように停止させることもできる。ただ自分で停止させているところをイメージ すればいい。普通は思考だけで十分なんだが、それぞれに ON / OFF ボタンを つけておくと楽かもね。慣れるまで少し時間がかかるけど、やっているうちに、 ほとんど眠ったままでもできるようになるよ。
今度は水平のタスクバーをイメージして。そこには、君が出会い、その振る舞 いを見たことのある、すべてのキャラクターが揃っている。中には特定のフィギ ュアを使わなければならないゲームもあるが、そのうちのどのフィギュアにする かは、君のセットアップ次第だ。タスクバーの左には君が一番使うキャラクター が、右には他のキャラクターが出ている。君がある状況に陥り、問題を解決する ために特別なアクションが必要になったら、問題を解決するよりも、あるキャラ クターを登場させるとよい。ただそのキャラクターをクリックするだけでアクテ ィブにできる。同時に多数のキャラクターを演じることもできる。Mega Man みたいなもんだな。彼はグループ化されたキャラクター全員の能力と経験を持っ ている。
君も今一つもっているね。ネイサンのことだよ。彼に関しては、君の好 きなようにできる。デザインし直したり、名前を付け替えたり。もっと高いレベ ルでは、女性にもなるよ。そして君は他のキャラクターを開発することもできる。 だけど知っておいてね。他の人たちには、君が現在演じているキャラクターでは なく、君の振動数が分かる。言わば、君のプロフィール写真だな。彼らにとって、 君はいつでも同じに見えるんだ。君は一つのアバターと一つの体を持っており、 それを通して君は、君のすべてのキャラクターやエゴを演じる。だから君にはそ のすべてを、そのアバターの内側で知覚できるんだ。君のキャラクターたちを使 ってどれくらいプレイするかで、君の体が変化し始める。練習すれば、好きなよ うに変えることさえできるようになる。
君はマルチプレイヤー・モードで他のア バターとも一緒になれる。他のアバターに接続したり、交換したりして、あらゆ ることをする。新しい種類のセックスみたいなもんだけど、僕には説明できない や。まだ君には理解できないからね。時間をあまりかけなくても自分で全部でき るようになるよ。ああ、見て。街に着いたよ」 ネイサンがそこにびっくりして立っている。僕には、彼が口を開けて目を皿の ように大きく見開いて、そこに立っているのが見える。僕は愛を感じることがで きる。
「信じられないや!」ネイサンのマインドがスイッチをオンにする。
「僕は1時 間も歩いていたというのに、見えなかったよ! まさかこんなこと。すごくいけ てるんじゃない? 景観を損なわずに街が築かれているなんて、気持ちいいよね」
どこかで聞いたことをメモリーから取り出した台詞。TV で聞いた台詞で、感じ がよかった。
「ここは景観を損ねていないばかりか、外からは見えない! どうやってんの?」
ネイサンの想像のスクーンにブラックホールが出現する。僕らには、これに関 する情報が何もなくて理解できない。すると、今までそこになかったものが現れ る。ネイサンのマインドがインストラクション、命令を待っている。僕は自分が プレイヤーであることを認識した。僕は XBox コントローラーを手にして長椅子 に座っている気分。完全に混乱している。目の前のスクリーン上で、特定のプロ グラミングに基づいてすべてのことが起きているのが見える。僕は正しいときに 正しいボタンを押せばいいのだ。僕は僕自身を認識する。もうネイサンのマイン ドには、二つの声はない。沈黙しているのが僕のだ。それが僕だ。そして僕には、 いつでもそうだったことがわかる!

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