2012/11/23
最近の社会全体のきな臭い感じが
原因であるのかどうかは判らないが、
このところ心に染みわたる話題というものに触れることが
非常に減っている気がしてならない。
常識を超えた激しい競争時代の悪弊なのだろう、
毎日仕事は増える一方なのに給料は減っていく。
あすのビジョンが見えない。
そんな感じが皆さんしていないだろうか?
そのようなギスギスとした現代であるのだが、
久々に心が震えるような「泣ける」話を目にしたので、
転載させていただくこととした。
元記事は「飄(つむじ風)」様に掲載されている
http://hyouhei03.blogzine.jp/tumuzikaze/日本航空の国際線「客室乗務員」(フライトアテンダント)、15年働いているベテランの方のお話です。
この方、
経営者や、政治家、プロスポーツ選手など、これまでに多くの方と一緒のフライトをしてきたんですが、 「私は普通のサービスをしてきたので、特別心に残る事はありません」
と、言った後、
しばらくの間を空けて、
少し涙目になりながら、
「たった一回、
自分で考えて、素晴らしいサービスをしたかな~って事があります」
成田発のカナダ(バンクーバー)行きのフライトの、
ビジネスクラスでの出来事です。
飛行機が上昇して行く中、
一人の中年男性が、ジーっと腕を組みながら、
不安そうな、悲しそうな、
とにかく複雑な顔をして、窓の外を眺めていたそうです。
この客室乗務員さんは、
(きっと商売の事を考えて、不安があるのかな~、
それとも、
家族を残して単身赴任で行く事に寂しさを感じているのかな~)
と思い、後で食事やドリンクを出す時に、少しでも明るくなって頂きたく、
(よし、お名前で呼ぼう!)
と、乗客名簿を見たんです。
そしたらなんと、
Mr. & Mrs. (ミスター&ミセス)
つまり、夫婦のお名前になっていたんです!
(奥さんも一緒なんだ・・・、それなら観光か何かかな~・・・
でも、奥さんの姿が見えないなぁ~・・・)
上昇中の飛行機で、まだベルトも外してはイケナイ状況、
トイレに行っているのだろうか?と、走ってその席に向かいます。
「“奥さんドコに行かれたんですか?”
って、聴こうとした瞬間に、
声が出ませんでした・・・」
横の座席に、
シートベルトをした、
黒いリボンのしてある【遺影】が置いてあったんです・・・
はっ!として、
聞いてはイケナイと思ったけど、
「綺麗な奥様ですね。
如何されたのですか?」
って、聞いてしまったと。
そしたら、
「実は、結婚30周年で・・・
初めて海外旅行に連れてってあげようと思っていたんです。
しかし、
突然1ヶ月前に脳内出血で亡くなってしまったんです・・・
旅行自体をやめようと思ったんですが、
息子達が、
“待ち望んでいた旅行をやめると、お母さんが悲しむから
一緒に連れてってあげて”と
さらに、
“横の座席に知らない人が座ったら、お母さんがやきもちを焼くよ”と
それを旅行会社の人に相談したら、
涙を流しながら、
“その座席は奥様の座席です、奥様との思い出の品でも何でも置いて下さい”って
それで、一番子供達の好きだったお母さんの写真を引き伸ばして額に入れて、
シートベルトをして、
飛び立った時に、
“お前の待ち望んだ海外旅行だぞ”って、語りかけたんだけど・・・
返事がかえってこなくて・・・」
そんな心境だったんです。
この方に、何をしてあげる事ができるのかな?って考えたそうです!
機長に相談したら、
「そこに奥様がいると思って接して下さい」と
奥様の好きな赤ワインを出し、
料理も全て、温めて出し、
その飛行機内にあった全てのお花を集めて奥様の【遺影】の前に
「今日からどうぞ、奥様と素晴らしい旅をして下さい」
と、手をあわせた瞬間・・・
飛行機全体に響く声で、
泣きだされてしまった・・・
その後もずーっと泣いていて、
飛行機を降りる時も泣きながら、
「本当にありがとう」と言って、
飛行機を降りていった後ろ姿は、
一生忘れる事は出来ない
___________________
「南蔵院住職」林 覚乗さんの講演CDより
http://www.nanzoin.com/さて話題は変わって、最初に書いたようなギスギスした時代に
なぜなってしまったのか?
根本的な原因は“えせ経営コンサルタント”や“にわか経営者”が推し進める
グローバルスタンダードという名の「大競争時代」にあるのだ。
彼らはさも自分だけが気づいている経営の極意のような顔をして、
「経費を徹底して削減し安い商品を提供すれば、
その商品はたくさん売れ結果として安値競争に打ち勝った会社はたくさん儲かる」
などという完全に間違った経営ノウハウを展開する。
こんなものはすでに誰だって気づいていたが、やらなかっただけのことなのだ。
何も“えせコンサルタント”に言われなくても、それで儲かっても
長続きはしないことぐらい先人はとうに気付いているのだ。
だから昔の経営者は「安売りはするな。すれば自分の首を絞める」
と言ったのだ。
当り前だろう。
現代の徹底した経費削減とは、
外注たたき、仕入れの値切り、そして社員の給料の値下げを指すのだ。
なんのことはない“ブラック企業”ではないか。
外注先をたたいてむしり取った利益は一時的に会社を潤す。
しかし外注先の体力は削られるので、そこの社員の給料は下がる。
当然購買力は減るわけであり、それは自社の商品の販売低迷の圧力になるのだ。
社員の給料も下げれば会社は一時的には儲かる。しかし社員の購買力低下は
めぐりめぐって自社製品の販売低迷につながるのだ。
このような馬鹿でもわかる理屈を、現在のえせ経営コンサルタントは理解していない!
また、“新進気鋭の”と呼ばれている若手にわか経営者も同様だ。
そんな事をしての利益追求は知っていてもみなしなかっただけのことなのだ。
それを知りもしないで金さえ儲かれば社員などどうでもよいという
若手の経営者が大量跋扈した結果が現在の社会不安の根本原因なのだ。
代表的な悪徳経営であり完全ブラックと呼ばれる輪タミなどがいい(悪い)例だ。
そのようなことについてはまたいつか詳しく書いてみたいが、
とりあえず今日は「良い夫妻の日」に
このよい話に触れられて少し幸せな気分になれたことに感謝だろう。
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